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2019.10.02 (Wed)  15:20

まず歩こう!

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整体やパーソナルトレーニングのクライアント様より

『普段から運動習慣が無いが、運動って何から始めればいいの?』

というご質問をしばしば頂きます。

そのようなご質問を頂くクライアント様には、運動で解消したい症状や姿勢、はたまた生活習慣病やその他の病中病後の体力づくりに医師から運動を勧められている方が多いようです。

そこで私がお答えするのは

【まずは歩こう!】

です。

まず歩くとは言っても単にぶらぶら歩けばいいのではなく、〝運動としてのウォーキング〟をおススメしています。

ウォーキングが身体にいいなんていまさらそんなことは周知のとおりですが、長年健康づくりや身体の使い方を学び実践してきた私の経験上、やはりこの運動としてのウォーキングが身体活動の基本であり、そこに健康づくりのカギが詰まっていると云えます。

では何を根拠にそう云えるのか。いくつか具体例を挙げたいと思います。

 

1.抗重力筋が使われて安静時・運動時の姿勢保持能力が高まる

そもそも運動とは地球の重力に逆らって身体を動かすことにあるので、〝歩く〟とは重力に逆らって身体という物体を移動させる動作のため抗重力筋を働かせねばなりません。

抗重力筋とは腹側と背側にあり、それぞれ腹側には、首の頸部屈筋群・腹周りの腹筋群、腸腰筋・脚部の大腿四頭筋・前脛骨筋など、背側には、首の頸部伸筋群・背中の脊柱起立筋群・大殿筋、脚部のハムストリングス・下腿三頭筋などがあります。

これらの筋群は重力に対抗する姿勢を保つために働く筋群なので、ウォーキングの際にはすべてが統合を取り合いながら働いているのは然りです。

このことから、安静時・運動時の姿勢保持能力が高まり、多方面への身体活動に適応しやすくなります。

 

2.股関節と肩甲帯の連動が上肢と下肢の運動連鎖を生む

現在の四つ足動物を観察すると前足と後ろ足を連動させて動いています。

そもそも人間も四つ足で歩いていた時代があり、立位になることで前足が〝手〟に変化したので足としての役割はなくなりましたが、歩行時は足に合わせて腕を振ります。

このことから股関節や骨盤の動きに連動して肩甲骨や肩関節が動くので、背中や肩回りの運動としても最適なものとなります。

ちなみに歩行時の足幅は腕のふり幅で決まります。

腕を大きく振って歩けば歩幅も大きく、腕を小さく振って歩けば歩幅も小さくなります。

 

3.下腿三頭筋の収縮による血流促進が起き、心臓をサポートする

下腿三頭筋とは腓腹筋とヒラメ筋の総称で、いわゆる〝ふくらはぎ〟のことです。

この下腿三頭筋は『第二の心臓』と呼ばれ、下腿三頭筋の収縮により下半身の血液を上半身に送り返す役割があるので、循環器メインエンジンの心臓をサポートするサブエンジンであるため第二の心臓と呼ばれます。

運動不足で急に運動したり、長い階段で息切れがするのは、ふくらはぎの収縮が弱くて下半身の血液を押し戻せず、心臓だけに頼って血流をまかなっていることも考えられます。

歩行を習慣化することでふくらはぎの動きも活性化され、心臓と連動して全身への血液循環が良好になります。

 

4.心肺機能が高まる

歩行は血液循環の促進に加え、酸素摂取量の増加も期待できます。

運動を開始すると必然と酸素が必要となり、肺機能が向上します。

加えて下腿三頭筋と協働して心臓も活発に動きますので、血液に乗って酸素の運搬も良好となります。

 

5.神経系の活性が高まる

 運動による筋肉の動きは脳の指示によって行われます。

歩行により心肺機能が向上すると、酸素と栄養素がより多く脳に供給され、脳と筋肉の伝達役である神経が活性されます。

これにより運動時の力の配分やバランス性も向上し、筋肉の動きもスムーズになって自分の思い通りに身体が動かせるようになります。

 

以上、ウォーキングが身体に効くポイントをいくつか述べてみましたが、手足を動かして血液循環を促し、神経を活性化し、筋肉の動きや働きをUPさせる運動の基本となる歩行。

いわゆる肩こり・腰痛・ひざ痛などの慢性症状改善にも役立ちますので、運動は何から始めたらいいのか、運動を始めたいけど、という方はまず歩いてみませんか!